バラの病害虫


病害虫に有効な薬剤

病気

主な病害虫 有効な薬剤
黒星病(黒点病)
うどん粉病
ダコニール
サルバトーレ
ベニカX

害虫

主な病害虫 有効な薬剤
アブラムシ
コガネムシ(幼虫・成虫)
スリップス
チュウレンジハバチ
カミキリムシ
オルトラン
スミチオン乳剤
オルトラン
ダイアジノン
ベニカX
ハダニ ダニ太郎
ベニカX
  • 各薬剤の対象病害虫をよく確認したうえで使用してください。
  • 薬剤に抵抗力をつけないように、薬を2~3種類用意して、交互に使っていくとより効果的です。
薬剤散布の注意点

晴れた日の風のない午前中に散布しましょう。使用の際は表記されている用量・用法を守ってください。

黒星病(黒点病)

特に注意が必要な病気です。葉に黒色の斑点ができ、黄色くなりやがて落葉します。菌はほかの葉にも広がっていくので、見つけ次第、病変に侵された葉を取り除き殺菌します。地面に落ちた葉も同様に取り除きましょう。菌は土や葉に存在し、雨などの水を媒介に感染します。

時期

高温多湿で雨の多い時期に発生します。

対処方法
  • 水やりのときには以下の点に注意します。葉に水がかからないようにする。泥はねを起こさないように気を付ける。
  • 泥はねしないようにマルチングを施す事も効果的です。
  • 病害が出てからではなく予防に努める事が大切です。予防のための薬剤散布をしましょう。
    ※葉の裏や株元の葉にもしっかりと散布します。
     

うどん粉病

若葉が波状によじれ、裏側がうっすらと白くなり、病気が進行すると、うどん粉をまぶしたような状態になります。黒星病が水で感染するのに対し、うどん粉病は空気感染です。原因は土や落ち葉の中に潜んでいるカビで、風に飛ばされることで植物に感染します。

時期

春と秋に発生しやすいです。気温が高く乾燥した環境を好みます。

対処方法
  • 初期段階では薬液で患部を拭き取るだけでも効果的です。
  • 被害が大きい場合は、患部を切り落としてから殺菌のための薬剤散布をしましょう。
  • 病害が出てからではなく予防に努める事が大切です。予防のための薬剤散布をしましょう。

ハダニ

葉の裏側に大量発生し、植物の汁を吸います。ハダニが発生すると、葉がまだらに白く色が抜けていき、カサカサと乾いたようになります。放っておくと葉が1枚も残らず落ちてしまい、光合成ができず植物の生育を大きく阻害します。ハダニは繁殖力が強く、一度発生すると短期間で広がってしまいます。産み付けられた卵は数日でふ化し、成虫になるまでが短いです。その成虫になったメスが卵を一度にたくさん産み、卵が孵化するというサイクルを短い間に何度も繰り返し、一気に繁殖します。

時期

雨の少ない気温の高い時期に発生します。風通しの悪く、乾燥した環境を好みます。また、ハダニは水を嫌います。雨の当たらない屋根の下で育てる場合は注意が必要です。

対処方法
  • ハダニには、ハダニ専用の殺虫剤を使用しましょう。
    ※ハダニは薬剤への抵抗力がつきやすいため、同じ薬剤を何度も使用することは避けましょう。
  • 薬剤の代わりに牛乳を水で薄めたものを散布すると窒息するので効果的です。散布した翌日は臭いや腐敗を防ぐために水で洗い流しましょう。また、薬ではなく食物由来のスプレー剤で窒息させるものも市販されています。
  • 霧吹きで水を散布することも予防に繋がります。
  • ハダニは葉の裏側に発生します。裏側にも充分に散布しましょう。
  • 卵が産み付けられている場合、一度の散布では除去できず、再びハダニが繁殖してしまいます。卵に効果のある薬剤を使用し、完全に駆除されるまでは数日おきに散布しましょう。

コガネムシ

コガネムシは成虫も幼虫もバラにとって厄介な害虫です。成虫は花や葉を食害し、せっかく綺麗に咲いた花を台無しにさせ、また、根元に卵を産みます。この卵から孵った幼虫が深刻な被害をもたらします。土の中に潜んだ幼虫は根を食害して株を弱らせ、特に鉢植えの場合、そのまま放置するとバラが枯れてしまう事もあります。食害に遭っていても幼虫は地面に潜っているため気が付きにくく、非常に厄介な存在です。毎日観察し、バラが弱っていないか、根が安定せずグラグラしていないか、コガネムシが飛来してきていないか、早期発見につとめる事が大切です。

時期

5月~10月

対処方法
  • 幼虫
    予防する事が一番の対策になります。
    幼虫に効く薬剤……オルトラン、ダイアジノン
    食害に遭った場合、一回り小さな鉢に植え替えます。その時、古い土は全て落として新しい鉢に幼虫を連れて行かないように気を付けましょう。
    ※鉢植えの場合、ひとつの鉢に何匹も潜んでいる事があります。
  • 成虫
    殺虫剤が効きにくいので捕殺します。

アブラムシ

主に植物の新芽や蕾に群生して、汁を吸い生育を阻害します。また、ウイルスを媒介するため植物にダメージを与えます。初期の段階で対処し、被害を最小に抑えましょう。

時期

春、秋

対処方法
  • ハケや歯ブラシなどでアブラムシを落とし、ペットボトルなどの容器に集めて処理します。
  • 薬剤散布

スリップス

1~2mmの細長い虫です。花びらや葉の汁を吸い、その跡がシミを作り、花を汚したりします。

時期

6月~11月

対処方法
  • 薬剤散布

チュウレンジハバチ

成虫は小さいハチのような見た目をしており、枝に傷をつけて卵を産み付けます。卵からかえった幼虫はイモムシのような見た目をしており、葉に群がり葉脈を残して食べてしまいます。食欲旺盛で放っておくと1枚残らず食い尽くされてしまい、1株だけでなく被害が広範囲に広がる事もあります。

時期

4月~10月

対処方法
  • 見つけ次第捕殺する。
  • 薬剤散布

カミキリムシ

幼虫はテッポウムシと呼ばれます。成虫は夏の間に卵を株元付近に産みつけ、孵った幼虫は1~2年かけて幹の中をトンネル状に食害します。外から見ただけでは幼虫の存在を確認できず、気が付いた時には枯れていた、なんて事にもなりかねません。樹勢が弱ってきた、花が咲かないなどの異変を感じたときは株元をよく観察してみてください。そこにおがくずのようなものが山盛りになっていたら、中にテッポウムシが潜んでいます。

時期

年中(産卵時期は6~8月)

対処方法

おがくずが落ちていた周辺には、カミキリムシの侵入した穴があります。その穴を利用して駆除する方法が2つあります。

  • 穴から殺虫剤を注入します。数日後、おがくずが出ていなければ駆除成功です。
  • 針金を挿し入れ、幹の中にいる幼虫を刺殺します。